遠隔サポートはどこまで臨床の経験が活きるのか? ー 企業で働くビジネスマンへのサポートの一例 ー
臨床場面で「教えてもらった自主トレーニングを頑張りたいけど時間がなくて…」「リハビリ通院も続けたいけど忙しくて…」患者様からこのように言われることはありませんか。
近年、産業保健分野ではプレゼンティーイズムによる労働生産性低下が示唆されており、その主な理由に「首の不調や肩こり」「腰痛」「メンタルヘルス不調」 が挙げられています。
肩や首・腰に器質的な要因がある場合には、医師の診療のもと治療を行うことはもちろん必要ですが、活動量を増やしたり運動を習慣的に行うことによりこれらの症状が軽快することも大いに期待できるため、相手の生活習慣やワークスタイルを聴取しながらその方に合った提案をすることが重要です(参考文献①)。
また、活動量をあげたり運動を習慣化することで「首の不調や肩こり」「腰痛」に関連する筋骨格系機能が改善することに加え、ストレスや抑うつ症状にも効果があることをアメリカスポーツ医学会が明らかにしています(参考文献②)。
そこで今回の記事では、日々忙しく企業で働いているデスクワーカーの方に対し、オンラインでのサポートのみで運動を習慣化することができた一例をご紹介したいと思います。
【事例紹介】
50代女性
業務内容:製薬会社に勤務(デスクワーク)
主訴:慢性的な首の痛み・こりがあり仕事中に集中力が欠けてしまう。運動不足を解消したい。
業務時間:6:30~19:00、 ※ 21:00~は自己学習をしている
これまでの経緯:数年前までは家事・育児と仕事の両立で日々忙しく、体のケアに費やす時間がほぼなかった。現在は少しずつ自分の時間ができるようになったため、首の症状を自分でケアしたいと思っている。しかし具体的な方法がわからないため困っていたところ、会社からの案内をみてオンライン健康相談サービスに応募した。
介入方法
全てオンラインで実施(Web会議サービスを使用した面談、アプリケーションを使用したチャットでのやり取り)
オンラインでの面談では、姿勢の評価、頚部の関節可動域・疼痛部位や程度の確認などを実施。仕事や家事が忙しいため、スキマ時間を利用し、一日に数回、スマホをみながら1~2分程度の簡単にできるストレッチや運動を中心に提案し“ちゃんと運動をしないと…“などとハードルを下げることを意識しプログラムを提案した。
介入後の変化
サポート開始2か月目から首の痛みやコリが和らいだ。「せっかくの良い機会なので体幹の筋力をつける方法も教えてほしい」と意欲的な様子も伺えた。
サポート開始3か月後には「自分にピッタリのプログラムだったので隙間時間にも関わらず習慣化できて、体の調子が良くなりました。あと、健康に配慮する意識改革ができました!」といった嬉しいお声を頂いた。
【今回ご紹介したオンラインサービスについて】
今回、こちらの女性が体験したサービスは、“ポケットセラピスト” という肩こり・腰痛対策を起点としたヘルスケアサービスです。ポケットセラピストでは、現在様々な経歴をもった理学療法士・作業療法士・柔道整復師・鍼灸師・臨床心理士・公認心理師などが働いています。
医学的根拠に基づいた独自の対策動画や資料を使用し、個々の状態に合わせたストレッチやエクササイズを提供しサポートをします。
ユーザーとは全てオンライン上でお話をするのが特徴ですが、臨床現場で培った知識や経験を踏まえてサポートをすることが可能です。また独自のアルゴリズムによりユーザーの体のタイプも判別ができるため、より個別性の高いプログラムが提供できることも大きな特徴となっています。
セラピストのサポートによって、これまで多くのユーザーから喜びの声をいただいています。
ポケットセラピストでは、インターネット環境さえ整っていればいつでも企業で働く方々のサポートが可能です。また臨床にも役立つ最新の知見も得られ、セラピストとしてのスキル・キャリアアップが可能です。
働き方も休日や隙間時間だけでもOK。都合にあわせてしっかり働くことも可能です。
もしご興味をお持ちになった方は、ぜひ一度ホームページを見てみてください。
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▼ 参考文献
① 新THP指針と労働衛生・産業保健分野における体力科学研究
雑誌名::体力科学 第 69巻 第 6 号 421-427(2020)
DOI:10.7600/jspfsm.69.421
② American College of Sports Medicine. ACSM’s guidelines for exercise testing and prescription, tenth edition. Wolters Kluwer, Philadelphia, USA, 1-21, 2018.
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