身体のケアだけじゃない、セラピストのチカラ。日本のメンタルヘルス課題への挑戦
はじめに
2020年、新型コロナウイルスの流行によって日本人の生活は大きく変わりました。
外出自粛、テレワーク、ソーシャルディスタンス。
これらの変化は健康にも大きな影響を与えています。
メンタル不調や肩こり腰痛等のフィジカル不調を抱える人は1.2倍に増加(参考文献①)、厚生労働省の調査では約50%、2人に1人が不安・気分の落ち込みを抱えていると報告されています(参考文献②)。
近年では抑うつ・不安・ストレス等のメンタル不調のケア、メンタルヘルス領域でのPT・OTの活躍が期待されています。
日本のメンタルヘルス課題
今や多くの事業場でストレスチェックが義務化され、メンタルヘルスという言葉を知らない人はいないのではないでしょうか。
ですが、ストレスチェックで高ストレス者に該当した人が医師の面接指導に進むのはたったの1.8%。
その他の相談に臨む従業員も全体の0.5%しかいません(参考文献③)。
メンタルヘルスに対する社会の注目が高まっている一方、適切なケアに繋がっていないことが現状です。
面接や相談に至らない要因にはメンタルヘルスに対する問題意識の低さ、治療効果の認知の低さ、メンタルヘルスケアに対して否定的なイメージや偏ったイメージの存在が影響していると言われています。
メンタルヘルス領域でのセラピストのチカラ
みなさんがセラピストを目指したきっかけを思い出してください。
学生時代に怪我のリハビリを受けスポーツ現場に復帰できたこと。
サポートを受けて社会復帰できたこと。
家族がリハビリを受けて動けるようになり、イキイキとしていく姿をみたこと。
その共通点の多くはセラピストが対象者と共にカラダに向き合い、ケアを通して勇気づけ、笑顔にしてくれたことではないでしょうか。
セラピストはカラダのケアを通してココロまでケアすることができます。
実はメンタルヘルス不調を感じている方の6~8割は肩こりや腰痛等の慢性的な痛みに悩んでいます(自社データ)。
そこで、カラダの悩みを切り口に、メンタルヘルス不調に悩む人々をサポートすることができるPT.OTのチカラが注目されています。
運動×認知行動療法
リハビリに取り組んでいたら、自然と前向きな気持ちに。
カラダが良くなるにつれてココロの状態も不思議と良くなってきていた。
その効果が科学的に証明されてきています。
<運動>
・10分程度、中等度負荷の運動を行うことで心理状態を改善する(参考文献④)
・少なくとも週1時間の身体活動を行うとうつ病リスクが12%低下する(参考文献⑤)
運動はメンタルヘルスケアに有効な手段であることは研究で示され、世間にも認知されつつありますが、一方で「健康のために動きましょう!」と促しても、理論だけでは行動変容に至らないことが課題です。
そこで、“できない”を“できる”に変えられる、動きの専門家であるPT.OTの力が必要になります。
<認知行動療法(CBT)>
メンタルケアだけでなく、慢性疼痛治療においても注目されている認知行動療法。
認知行動療法は一体どのように活用されているのでしょうか?
よく知らないという方向けに簡単にご紹介します。
「普段の臨床コミュニケーションで認知行動療的アプローチをしているかも」と思ったセラピストもいるのではないでしょうか。
リハビリ現場でカラダの痛みに繋がりやすい考え方や行動のクセも持つ人がいるのと同様に、メンタル不調に陥りやすい人も存在しています。この負のサイクルを断ち切るための支援が認知行動療法で、メンタルヘルスケアにおいて重要なサポートです。
メンタルヘルスケアの課題として薬物療法や心理療法等、治療に対しての否定的なイメージが存在しています。ですが、セラピストはカラダの悩みから介入できる運動指導や認知行動療法的アプローチを用いて、メンタルヘルス不調を抱えた多くの方に効果的に介入することができます。
まとめ
2022年。今でもココロとカラダの不調に悩む方の多くが、メンタルヘルスの重要性を理解しながらも適切なケアを受けられていません。
その中でカラダのケアを通して、ココロも元気にできる理学療法士、作業療法士が求められています。
近年では「セラピスト供給過多」が危惧されていますが、メンタルヘルス領域ではセラピスト需要が高まっています。
ポケットセラピストでは社会のニーズに応えるべく、働き世代のカラダの悩み(肩こり、腰痛等)を起点に、運動指導・認知行動療法的アプローチ等のエビデンスに基づき、働く人が活き活きと活躍するためのヘルスケアサービスを展開しています。
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